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(2) Uターン者
Uターン者に対する賃金水準の格付けについては、同じく図表3-32に示されたように、過半数(52.2%)の企業は「同等経歴者と同水準」としており、中途採用者と同じ傾向がみられる。なお、賃金水準を増加している企業はほとんどみられない(「前勤務先の3割増し以上」0.4%、「前勤務先の2割増し」0.4%、「前勤務先の1割増し」2.2%)。
こうした傾向は、所在地(市)別でみると、県内第2・第3の大都市で6割弱に達する一方で、県内の中小都市では4割強にとどまっている。また、業種ごとで比較すると製造業よりも非製造業で強く、その中でも対事業所サービスでは6割強に達している。規模別では「同等経歴者と同水準」とする割合が規模にかかわりなく過半数である一方で、「同等経歴者より1割低め」とする割合が100人以上の企業で2割弱みられる。

 

2. 中途採用のUターン者採用時の優遇措置

 

企業に中途採用のUターン者を採用する際に、特に優遇している点を聞いてみると(図表3-33を参照)、「特別扱いなし」とする企業は半数近く(45.9%)あり、Uターン者に対して企業は何もしていないことがわかる。このほかで企業が実施している主な優遇措置は、「面接時の交通費支給」(28.4%)、「引越し費用の援助」(19.1%)、「社宅・寮」(17.6%)の3つである。
これを所在地(市)別にみると、県庁所在地、県内第2・第3の大都市、周辺都市の企業は「特別扱いなし」としているが、県内の中小都市、農村地域では「面接時の交通費支給」を実施している企業が多くみられる。また、業種ごとで比較すると、ほとんどの業種で「特別扱いなし」としているなかで、土木・建設では「面接時の交通費支給」を実施している企業が多く、対個人サービスでも1/3の企業が実施している。
つぎに規模別をみると、「特別扱いなし」する割合が100人以上の企業で過半数を越えている一方で、99人以下の企業では「面接時の交通費支給」する割合が約3割みられる。

 

3. 地場の水準と比べた企業の労働条件の水準

 

最後に、地場の水準と比べた企業の労働条件の水準について、?@初任給、?A中堅社員の賃金、?B賞与、?C所定労働時間、?D年間休暇日数、?E作業環境、?F福利厚生施設、の7つの面から探ってみよう。
また、ここでの回答を次のように得点化し、その該当人数分を掛け合わせ、サンプル数で除した結果をみてみよう(図表3-35を参照)。
「良い」…… 2点
「やや良い」…… 1点
「並」…… 0点
「やや悪い」…… -1点
「悪い」…… -2点

 

 

 

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